娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「楽しそう……かわいすぎる」

表情豊かな朱音を食い入るように眺めながら、杏奈は思わずつぶやいた。

「お母さん?」

「あ、いえ」
 
訝かしげに顔をかしげる園長に、杏奈は急いで笑顔を向けた。

「あ、あの。仕事を抜けてきているのですぐに朱音を連れて帰りたいんですけど――」

「母さん、俺、そろそろ会社に戻るから、なにかあったら遠慮せずに連絡して……え?」

「な……っ」

園長室から出てきた男性と目が合った瞬間、杏奈は息を止めた。

「杏奈……なんで、ここに?」

「蓮斗さん……? え? どうして?」
 
杏奈は目の前の男性を、呆然と見つめた。

園長によく似た、目鼻立ちがハッキリとした華やかな顔立ち。

目が離せない。

それに……とぼんやり思う。

似ているのは園長だけじゃない。

驚いた時に大きく目を見開き唇を軽く引き結ぶ表情は、朱音とそっくり。

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