娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
茶色がかった瞳の色も、くせのない艶やかな髪も、朱音と同じ。

朱音のふとした仕草から彼を思い出すことはよくあるが、いざ目の前にするとふたりが親子だと実感せずにはいられない。

塩崎蓮斗。

彼は間違いなく朱音の父親だ。

「どうしたの?」

園長が首をかしげ、杏奈と蓮斗を交互に見やる。

「蓮斗、朱音ちゃんのお母さんと知り合い?」 

「朱音ちゃんのお母さん……? え、杏奈、子どもがいるのか」

蓮斗は信じられないとばかりにつぶやくと、杏奈との距離を詰めた。

「あ、あの……それは、その違うの」

杏奈は慌てて首を横に振った。

いったいなにが起きているのかわからないが、蓮斗に朱音の存在を知られるわけにはいかない。

それだけはわかる。

「杏奈って……朱音ちゃんのお母さん、杏奈って名前なの?」

園長も目を丸くし、杏奈を見つめる。

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