娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
たとえ蓮斗の父に反対されて、香帆が蓮斗のことをあきらめていないとしても。

欲しいものを欲しいと言える、それこそ朱音のようにわんぱくな自分でありたい。

それに、もう二度と、蓮斗を手放すようなことはしたくないから。

「蓮斗さんを愛して――」

「愛してる」

くぐもった蓮斗の声が耳に届いたと同時に、強く抱きしめられた。

背中に回された腕の力が強すぎて、胸が苦しくて息がとまりそうになる。

「先に言わないでくれよ。本当なら、五年前に言うつもりだったんだ」

苦しげにつぶやく蓮斗の声に、杏奈はそっと顔を向けた。

「結婚しよう。愛してるよ。離れていた分も取り返して、とことん幸せになろう」

神妙な面持ちで杏奈を見つめ、蓮斗は繰り返す。

「は、はい。今もとっくに幸せですけど、もっともっと幸せになりたい。蓮斗さんと一緒に、一生笑っていたいです」

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