娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
信じられないほどの幸せが、さらに倍、さらに倍と、どんどん大きくなっていく。

そう、五年越しに思いを伝えられて、これ以上なにも望めないくらい、幸せだ。

「俺も。杏奈を一生全力で愛したい」

「私も……」

思いを伝え合ったばかりの大切なこの瞬間。

少しでも長く蓮斗の顔を見ていたくて、懸命に蓮斗を見つめた。

すると蓮斗は杏奈の頬を両手で包み込み、互いの顔を近づけた。

今にも鼻先が触れ合いそうな親密すぎる距離に、杏奈は息を止めた。

それでもこの瞬間の蓮斗の顔を覚えていたくて、瞬きを忘れ、見つめ返す。

やがて蓮斗は力が抜けたように表情を崩した。

「誘ってるのか?」

「ち、違います」

杏奈は顔を熱くし、慌てて否定する。

「へえ……でも、そうとしか思えないんだけど」

蓮斗の目が次第に熱を帯び、杏奈を射るように見つめている。

「俺は、誘ってるつもりなんだけど」

「え?」

< 215 / 249 >

この作品をシェア

pagetop