娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「杏奈って、たしか蓮斗が以前お付き合いしていた? 会ったことはないけど、名前だけは聞いたことがあるのよ」

「あの、その……」

園長と蓮斗。

よく似たふたつの顔が目の前に並び、杏奈は口ごもる。

朱音と蓮斗が似ているように、目の前のふたりもそっくりだ。

それに蓮斗は園長を母さんと呼んでいた。

となると、園長は朱音の祖母ということになる。

「そんな……」

杏奈はおろおろと後ずさりする。

まさかここで蓮斗と再会するとは思わなかった。

「杏奈、今までどうしていたんだ」

蓮斗は杏奈を追うように、ふたりの距離をさらに詰めた。

「ずっと捜していたんだ」

「それは、あの、私は――」

「ママーっ」

その時、いつの間にか歌声が消えていた教室の扉が勢いよく開き、中から朱音が飛び出してきた。  

「ママがいるー」

杏奈の脚にしがみつき、朱音ははしゃいだ声をあげる。

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