娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
駒田は気まずげに口もとを歪めたものの、すぐに気を取り直し蓮斗の父に向き合った。

「わかっていただければそれで結構です。たしかに五年前は私も蓮斗さんとの結婚を望んでいましたけど、そのことも含めて私のことは忘れてください。正直、うんざりです」

表情を消し淡々と話す駒田に弥生が表情を強張らせたが、蓮斗の父が手を握りしめて落ち着かせた。

「私は仕事がありますから、これで」

駒田は一刻も早くここから離れたいとでもいうようにクルリと背を向け、足早に去っていった。

「ところで」

蓮斗の父が、蓮斗に声をかけた。

「なんですか」
蓮斗は父と距離を取り、杏奈と朱音をかばうように立った。

「本当に、まだ続いていたんだな」

感情の見えない声でつぶやくと、蓮斗の父は杏奈に視線を向けた。

「あの……ご、ご無沙汰しております。茅島です」

目が合った途端息をのみ、杏奈は深く頭を下げた。

< 232 / 249 >

この作品をシェア

pagetop