娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
第二章 重なった過去と未来
第二章 重なった過去と未来

蓮斗は自宅に帰るなりリビングのソファに勢いよく腰を下ろした。

杏奈の店を出た後どうやって自宅に戻ったのか、正直よく覚えていない。

ただ。

『朱音は……オムライスが大好きです。顔立ちだけじゃなくて、そこも蓮斗さんに似たみたいです』

杏奈の言葉が頭から離れず、浮き立った気持ちでタクシーに乗り込んだことだけは覚えている。 

会社に戻るつもりだったが、顔を出す予定だった会議が延期されたと連絡が入り、急ぎの仕事もなかったので直帰することにしたのだ。

父の後を継ぐために弁護士の職から離れて入社して以来、周囲に認めてもらわなければと必死に仕事に向き合ってきた。

三年以上ほぼ休みなく働き、今日も直帰するつもりはなかったが、無理だった。

捜し続けていた杏奈と再会できただけでなく、ふたりの間に娘が生まれていた。

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