娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「茅島さん、アルバイト? ……大丈夫なのか?」

「は、はい……」

 杏奈は口ごもる。まさかここで知り合いと顔を合わせるとは思わなかったに違いない。

「お、オムライスです。こちらはサラダのソースになりますのでお好みで……」

 それでもすぐに気を取り直し、キビキビとした動きで蓮斗の前にオムライスを置いた。

「ご注文は以上でしょうか」

「あ……ああ」

「では、ゆっくりお過ごしください」

 杏奈は固い声で軽く一礼すると、一瞬なにか言いたげな表情を浮かべたものの近くのテーブルから声をかけられ離れていった。

「どういうことだ……?」

目の前にはまだ湯気が上がっているオムライス。

ケチャップ味のチキンライスが固い薄焼き玉子に包まれている、蓮斗好みのオムライスだ。

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