娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
考えないわけではなかったが、まだ先の話だと現実から目を背けていた。

杏奈とは単なる先輩と後輩。それが現実だ。

あと何度、こうして電話できるだろう。

「残念なんて話じゃないだろ」
 
蓮斗は思わず口にした自分の言葉に驚き、目を丸くした。

このまま杏奈との縁を手放したくない。

それに杏奈を知らなかった以前の自分に戻りたくない。

この先もずっと、杏奈のそばにいたくてたまらない。

次々と頭に浮かぶいくつもの思い。

それは間違いなく本音だ。

「いつの間に……」

蓮斗は知らず知らず大きくなっていた杏奈への思いを自覚して、息を吐き出した。

『先輩?』

杏奈の不安そうな声が聞こえてくる。

「茅島さん」

蓮斗はゆっくりと口を開いた。

直接顔を合わせて伝えた方がいいに決まっているが、心は急いていて、待てそうにない。

「俺も同じなんだ」

込み上げてくる思いに全身が熱くなる。

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