娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
その先が聞きたくて耳を澄ませてみるものの、オロオロしているばかりで肝心の答えが返ってこない。

今もスマホの向こうで『でも……そんな……』と繰り返している。

いきなり気持ちを聞かされたのだ、当然の反応かもしれない。

蓮斗はいつの間にか詰めていた息をゆっくり吐き出すと、返事がほしくて前のめりになっている気持ちをどうにか落ち着けた。

「夢じゃないし、本当に茅島さんのことが好きなんだ。勉強もバイトも一生懸命で、自分の力で自分を幸せにしようとがんばってるところ、魅力的だと思う。……だけどやっぱり直接顔を見て伝えた方がよかったよな。突然驚かせてごめん。返事は次に会った時に聞かせてくれれば――」

『いえっ。あの、私も先輩のことが、す、好きですっ。よろしくお願いします』
 
相変わらず混乱しているようだが、思いが伝わってくる一生懸命で力強い声。

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