2Kの君~終電帰りの限界OL、2Kの扉を開けたら異世界騎士の部屋でした
「にーけー? ああ、忘れていた」
シェイルは凛子の言葉に、首を傾げながらも、自身に驚いていた。
護身の剣の存在を完全に失念していたからだ。
いずれにせよラストゥーリャには、報告する羽目になるのだろうが、予定調和を超える出来事に遭遇した自分は、やはり冷静さを欠いているのかもしれない。
改めて訪問した荒れ果てた空間をぐるりと見回し、シェイルは遠慮なく腰を下ろす。
「あああ、あんたちょっと仕事カバンの上に座らないでよっ」
自分を押しのける女というのも初めてだった。
頬を膨らませカバンを抱きこんだ女を見る。
ずいぶんと変わっている。
曰く、この小汚い空間の主らしい。
両腕はむき出しで、衣は膝丈より少し短い。
裸に近い格好をしているのにも関わらず、娼婦のような隠微さは欠片も無い。
ゆるく巻かれた濃茶の髪は肩よりも少し長く、瞳は恐らく漆黒。
カバンを抱えたまま落ち着き無くうろうろとしていた女が、諦めたようにぺたんとその場に座りこむのを、遠慮なく観察する。
「リィン」
ものを投げつける女というのも初めてだ。
「喉が渇いた。さっき、なにか液体の入ったものを投げつけただろう? 衣も少し濡れてしまったから着替えも欲しい」
その言葉に、これでもかというくらい目を丸くさせて凛子は首を傾げる。
「な――ずうずうしい! 自分の部屋帰ればいいでしょ! っていうか帰って!」
「あちらに帰っても侍女を呼ぶ事も出来ぬ。そもそも寝酒は寝所に用意させるものだしな」
「はぁあああ? 意味、ほんとーに判んない! あっち、あんたの家でしょ!」
「あちらは居室。こちらは寝所」
「ああいえばこう言うって、どんな育て方されたのかしらねっ!」
「それはお前にも問いたいな。例えば、このような狭い空間で塵芥に塗れた――」
「うるさい!」
シェイルは凛子の言葉に、首を傾げながらも、自身に驚いていた。
護身の剣の存在を完全に失念していたからだ。
いずれにせよラストゥーリャには、報告する羽目になるのだろうが、予定調和を超える出来事に遭遇した自分は、やはり冷静さを欠いているのかもしれない。
改めて訪問した荒れ果てた空間をぐるりと見回し、シェイルは遠慮なく腰を下ろす。
「あああ、あんたちょっと仕事カバンの上に座らないでよっ」
自分を押しのける女というのも初めてだった。
頬を膨らませカバンを抱きこんだ女を見る。
ずいぶんと変わっている。
曰く、この小汚い空間の主らしい。
両腕はむき出しで、衣は膝丈より少し短い。
裸に近い格好をしているのにも関わらず、娼婦のような隠微さは欠片も無い。
ゆるく巻かれた濃茶の髪は肩よりも少し長く、瞳は恐らく漆黒。
カバンを抱えたまま落ち着き無くうろうろとしていた女が、諦めたようにぺたんとその場に座りこむのを、遠慮なく観察する。
「リィン」
ものを投げつける女というのも初めてだ。
「喉が渇いた。さっき、なにか液体の入ったものを投げつけただろう? 衣も少し濡れてしまったから着替えも欲しい」
その言葉に、これでもかというくらい目を丸くさせて凛子は首を傾げる。
「な――ずうずうしい! 自分の部屋帰ればいいでしょ! っていうか帰って!」
「あちらに帰っても侍女を呼ぶ事も出来ぬ。そもそも寝酒は寝所に用意させるものだしな」
「はぁあああ? 意味、ほんとーに判んない! あっち、あんたの家でしょ!」
「あちらは居室。こちらは寝所」
「ああいえばこう言うって、どんな育て方されたのかしらねっ!」
「それはお前にも問いたいな。例えば、このような狭い空間で塵芥に塗れた――」
「うるさい!」