魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
「……あらあら」


想定外の事態にシャルレーヌが驚いていると、ヴィクトールはテネブルに怖がられるとわかったようだ。
無意識なのか一歩後ろに下がった。
シャルレーヌはテネブルを撫でながら慰めていた。


「大丈夫よ、テネブル。陛下は怒っているわけじゃないわ」

「…………!」

「あなたがいなくて寂しかっただけよ。だから迎えに来てくれたのよ?」


いつものようにテネブルに話しかけると、ヴィクトールは目を見開いた。


「……話せるのか?」

「いいえ、この子をずっと見ていたらなんとなくわかるだけですわ。陛下こそ、テネブルの気持ちがはっきりとわかるのですね」

「テネブルとは……」

「呼びやすいようにわたくしが名前をつけましたの」


眉を寄せているヴィクトールが何を言いたいかはわからない。
シャルレーヌはテネブルを撫でつつ励ましていた。


「君は何者だ……?」


シャルレーヌはデネブルを見てから首を傾げた。


「わたくしでしょうか? サンドラクト王国から参りましたシャルレーヌですが……」

「名前を聞いているんじゃない。闇魔法に触れて正気でいられる時点で、おかしいと気づくべきだった」
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