魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
「何を考えている……?」

「あら、陛下はわたくしを殺そうとしたのではないのですか?」

「殺そうとはしていない。ただ少し動揺して……脅そうとしただけだ」


ヴィクトールの意外な言葉にシャルレーヌは目を見開いた。
歯切れの悪い言葉にシャルレーヌは吹き出すようにして笑う。


「クソ……サンドラクト国王の言った通りだな」

「やはり陛下はお父様と取り引きをしたのですね。そんなことだろうと思っておりましたけれど。でなければナリニーユ帝国に嫁げなんて言うことはありませんもの。お父様ったら、ご迷惑ばかりおかけして……」


ヴィクトールになんらかの条件を出して掛け合ったのだろう。

(まぁ、わかっていたことですけれど。厄介なことを押し付けられて可哀想ですわねぇ)

ヴィクトールは最初からシャルレーヌと距離をとり、警戒していたように思う。
突拍子もないことばかりなため彼が戸惑うのも無理はない。


「陛下は随分とお優しいのですね」

「俺が優しい……だと?」

「えぇ、そうですわ。わざわざテネブルを迎えに来たり、わたくしの行動を止めたり、お優しいですわ」

「……意味がわからない」
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