魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
「あらあら……なんてかわいらしいのかしら」


ヴィクトールの顔は見えないが、照れていたことはわかっていた。
リリーと同じでかわいがられることには慣れていないらしい。

そういう男をどろどろに甘やかすとどうなるのか……シャルレーヌは知っている。
今までの王子たちもすぐにシャルレーヌに靡いた。
ヴィクトールの闇は深そうではあるが、どうなるのだろうか。
シャルレーヌはこの状況を楽しみにしつつ、窓を開けた。

すると、我先にカラスと蝙蝠たちが駆け寄ってくる。
一匹のカラスが、ひび割れた銀色の玉を咥えていた。


「懲りないのね。気を遣ってくれてありがとう」


どうやらまた盗聴されていたらしい。
テネブルと話していたことは、たわいもないことばかりだ。
多少の会話は聞かれていただろうが問題はないはずだ。

それにヴィクトールが入ってきて暫く経って潰された会話が筒抜けになる魔導具。
こんな真夜中に彼女が聞いているかどうかはわからない。
シャルレーヌの部屋に懲りずにコレを仕掛けて会話を聞こうとしていたのはエマニュエルだろう。
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