魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
体調も万全ではないのに呼び出しはシャルレーヌが苦手な昼間だ。
居心地のいい暗い部屋から出るのは気が引けた。
窓の外からは、警戒するようにカラスの声が聞こえていた。

(名前を言わないところが怪しいわね。せめて夜だったらよかったけれど……)

恐らくアナベルかエマニュエルあたりが手配したのではないだろうかと予想していた。
匿名を強調している辺り、部屋で謹慎しているアナベルが濃厚かもしれない。
侍女たちに水をかけられたことを思い出して笑ってしまう。
シャルレーヌはあることを伝えるために口を開く。


「今は体調が悪いから、また夜に向かうと伝えてちょうだい」

「かしこまりました」 


ロミが執事に伝えると、困惑していたようだがシャルレーヌが咳き込んだ音が聞こえたのか引いてくれたようだ。
ルイが今は体調が優れないと伝えると、執事はシャルレーヌ宛てのメモを渡すと去っていった。
意外にも強引に呼び出すわけではないらしい。

シャルレーヌはルイからメモを受け取った。
人気がない場所の指定、必ず一人で来いと書いてあるだけ。
その場所もリリーが散歩に連れ回してくれたおかげで、なんとなく理解できていた。
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