魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
ルイは淡々と答えた。
部屋の外にいたはずのロミもいつのまにか中にいて頷いている。


「そう、わかったわ。でもギリギリまで手出しは無用よ?」

「……。かしこまりました」


まったく納得していないルイだが、シャルレーヌの指示には従うだろう。
リリーは今日、たまたま休暇だ。
彼女がいたらもっとおもしろいことになっただろうが仕方ない。
昼間とは打って変わって、シャルレーヌは小さくスキップしながら指定された場所に向かった。


「忘れていたわ。奇襲に備えて傘を持ってくればよかったですわね」

「お持ちいたしましょうか?」

「いいわ。大丈夫よ」


傘があったらもっと気分がよくなっていたのに残念だ。
空を見上げると、コウモリと数羽のカラスたちがシャルレーヌを見守るようについてくる。

指定の場所に到着したシャルレーヌは辺りをくるりと見回した。


「あら、あなたが……」


てっきり大人数いるかと思いきや、立っていたのは一人だけだ。
それも見覚えのある人物だ。
シャルレーヌが声を発するのと同時、こちらを鋭く睨みつけている。

(予想外でしたわ。まさかこの方がわたくしを呼び出したんて……)

呼び出された理由がわかったシャルレーヌは口角を上げた。


「まぁ……何か御用でしょうか?」

「しらばっくれるな! わかっているんだろう?」
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