魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

ミルクティー色の肩まである長い髪、中性的で美しい顔立ちは怒りから歪んでいて台無しである。
線も細くサンドラクト王国にはまったくいないタイプの男性のため珍しく思い、観察するようにじっと見てしまう。

(頭脳派だと思っていたフェランお兄様ですら、かなりガタイがよく見えてしまいますわね。なんて弱そうなのかしら……)

シャルレーヌを匿名で呼び出したのは、ヴィクトールの側近の一人であるモルガンだった。

(興味がなさすぎて情報収集が疎かになってましたわねぇ、彼はどんな方だったかしら)

シャルレーヌが情報収集のために頼っているカラスたちの元主人だ。
彼らは進んでモルガンのことを話したりしなかった。
文句もないということはいい関係だったのだろうが、シャルレーヌがカラスたちを従えたことで契約が切れたのだろう。
遠くからシャルレーヌを心配するようなカラスの声が届いた。

(今は小鳥やネズミたちと連携をとれるようにしているんだったかしら。ふふっ、綺麗な男の子。腕を少し捻っただけで折れてしまいそう……まるで絵本のお姫様のようね)

ここに呼び出されたということは、シャルレーヌがカラスを従えているということに気がついたのかもしれない。

(けれどこの状況はあまり好ましくありませんわね)

てっきり呼び出したのは女性だと決めつけていたシャルレーヌだが、男性でヴィクトールの側近と二人きりになるとしたら話は別だ。
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