魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
シャルレーヌはそういいきったモルガンを見つめながら考えていた。

(まるでお友だちにおもちゃを取られて奪い返しにくる子どものようですわね)

モルガンにとって、カラスたちはそれほど特別だったということだろうか。
まずはシャルレーヌがモルガンと同じ魔法を使えるという誤解を解いた方がいいだろう。
彼は自分の居場所を取られまいと必死なのだ。


「勘違いなさっておりますわ。わたくしは魔法を使えませんが……」

「──嘘だ! この魔法は陛下が認めてくださった特別な魔法なんだぞ」


まるで聞き分けのない子どもと話しているようだ。
半べそで訴えかけてくるモルガンを見ていたが、あまりにも弱々しい姿に飽き飽きしてしまう。

(結局、何がいいたいのかしら。文句を言うのは構いませんけれど、まったくかわいくないですわ)

彼の言い分としては、自分の居場所を守るためにカラスを返してほしいのだろう。
だけど力ずくで奪い返すだけではなく、泣き喚くだけ。

(…………気に入りませんわ)

シャルレーヌの口端がぴくりと動く。
これではいつ殺されても文句は言えない。とは言ってもサンドラクト王国での場合だが。
ここは温和に対応した方が後々、面倒くさいことにならないだろうと判断したシャルレーヌは丁寧に説明していく。
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