魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

「わたくしがカラスを奪ったわけではありませんわ。あの子たちが懐いてくれただけですから」

「嘘だ! カラスたちが僕を裏切るなんてありえないんだからな……!」


諭すように言ったもののついに泣き出したモルガンを見て、シャルレーヌはどうするべきか考えていた。


「ぐすっ……!」

「あらあら、どうしましょう」


本来ならビンタをして涙が出なくなるほどに根性を叩き直してやりたいが、ナリニーユ帝国でそれをしてしまえば問題になるだろうか。

(これが許されるのね……あまり見ていて気持ちのいいものではないけれど)

シャルレーヌからどんどんと表情が消えていく。
何度か説得を試みるも彼は駄々を捏ねてばかりで納得はしてくれない。
もうこちらの言葉は届かないと判断したシャルレーヌは頬に手を当てて満面の笑みを浮かべる。

こちらは今できる最大の譲歩をした。
それに妃である以上、シャルレーヌのほうが立場が上だ。

シャルレーヌはチラリとルイに視線を送り合図を送る。
ルイは無表情のままわずかに頷くとモルガンを見た。
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