【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
「ウフフ……仕方ありませんわねぇ?」

「……え?」


シャルレーヌの変化に気づいたモルガンは動きを止めた。
言葉が通じないのなら、力でねじ伏せるまでだ。
拳を握りしめて振り上げた時だった。

ヒュッと風を切る音。
シャルレーヌの拳があと少しでモルガンの頬に届くという時に、大きくゴツゴツとした手のひら間に入り、拳を受け止められてしまう。
しかし受け止めきれなかったのか腕ごとモルガンにぶつかってしまった。


「あらまぁ……!」

「……いだっ!?」


モルガンは尻もちをついた。尻を押さえながら叫んでいるが、それよりも驚くべきことはシャルレーヌの拳を防いだことだ。
まさかこんなことがあるとは思わずに驚きに目を見開くばかりだ。

(気配を消すのがうまいですわね。わたくしも油断しておりましたわ)

シャルレーヌが苛立っていたこともあるが、ここまで近づかれて気がつけなかったことが信じられなかった。
スッと手を引いて、何事もなかったかのようにドレスを整えた。
顔を上げると、そこにはモルガンと共にヴィクトールの側近であるオノレの姿があった。


「まぁ……ごきげんよう。オノレ様」


(モルガン様の様子を見ていらっしゃったのかしら)
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