【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
「シャルレーヌ様の気が済むまで、モルガンの代わりに私がお相手いたします」
「あら、よろしいのですか?」
「だからこのことは皇帝陛下には……」
オノレはモルガンよりもよっぽどリスクを理解しているのだろう。
なかなかのいい提案にシャルレーヌは手を合わせた。
楽しむためとはいえ、やられっぱなしではおもしろくはない。
フラストレーションが溜まっていたため、オノレが相手をしてくれるならばと思っていた。
それにオノレの魔法は彼らが使うものと違い、珍しくて特殊だとカラスたちに聞いていた。
(彼は見た目とは違って頭が回るのね。お父様と同じ感じだと思ったけれど予想外ですわ。なんて素晴らしいのでしょう!)
ヴィクトールが信頼しているのも頷ける。
モルガンは忠誠心があるけれどまだまだ子どもだ。
訳のわからないまま頭を下げていたモルガンも、オノレが自分のために謝罪していることを理解したのだろう。
急に大人しくなってしまった。
「どういたしましょう。一方的に責められて気分が悪いのですわ。それに何度もこのようなことが起こるものですから、わたくしもそろそろ我慢の限界ですの……」
「……モルガン」
オノレは低い声で彼の名前を呼んだ。
するとモルガンは怯えるような表情で大きく肩を揺らす。
その後ろで影が大きくゆらめいているのを見逃さなかった。
「申し訳、ありませんでした……」