【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
ヴィクトールはそんなモルガンの言葉を聞いてため息を吐く。


「そんなことで捨てたりはしない」

「……ほんと、ですか?」

「ああ、今はまだ慣れないだけだが、安定しさえすればまた以前のように戻るのだろう?」

「はい……!」


涙を溢れさせるモルガンは幼い子どものようだ。
シャルレーヌはテネブルを撫でながらその様子を見ていた。
それだけヴィクトールはモルガンの力を重宝しているのだろう。
けれど「これ以上、余計なことをして手を煩わせるな」と、釘を刺すことも忘れない。
モルガンは口を閉じて何度も頷いていた。


「それで……お前がカラスを奪ったというのは本当なのか?」


ヴィクトールの視線は突然、シャルレーヌへと向けられた。
シャルレーヌは首を傾げたものの、後ろにはカラスやコウモリたちの羽音が微かに聞こえていた。


「魔法は使えないはずだ。どうやってモルガンから奪った?」

「陛下もわたくしのせいになさるのですか? わたくしが魔法を使えると?」

「闇魔法が懐くのもおかしな話だ。今までこんなことは一度もなかった」
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