【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意
アナベルのイメージを崩すわけにもいかずに、それらしくシャルレーヌに水をかけた侍女二人を罰したものの怒りでいっぱいだった。
シャルレーヌを勝手に虐げてくれる手駒を失ってしまったからだ。
彼女たちはもう少ししてから切り捨てる予定だったのに……。

そのきっかけを作ったリリーを再起不能になるほどに罰してやる。
そう思った矢先、彼女はシャルレーヌが引き取ることになってしまった。

(意味がわからないわ……! 何もかもうまくいかない。今まで順調だったのに)

八つ当たりもできずに不満はたまっていく。
こうして正妃候補になってからというもの、裏の性格を出せずに我慢し続けていた。
女神のように慈愛に満ちた対応をしているのはつらすぎる。
エマニュエルには裏の顔は多少バレてしまっているようだが、それでも表に出すことはなかった。
こうなるとエマニュエルのように傲慢で我儘でいられるのとが羨ましい。

(正妃になるまでの我慢よ。正妃になればすべて報われるはずなんだからっ)

だからこそ外の自分と本当の自分がわからなくなってしまう。
そのギャップに苦しさを感じているのも事実だ。本当のアナベルは女神のような性格ではない。
どろどろとした欲に塗れている。
それも正妃になるまでの我慢だ。自分は側妃になるような人間ではない。
ヴィクトールの隣でこそ輝ける。彼に愛されて、彼を導ける存在はアナベルしかいない。そう確信していた。
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