魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

「ちょっと、やり過ぎよ! バレたらどうするの!?」

「このくらいでいいのよ! 私たちだってつらい思いをしたんだもの!」

「で、でも……!」


シャルレーヌは両手のひらで顔を覆い、そのまま体を震わせていた。

(ああ……どうしましょう。このままだと……っ!)

シャルレーヌの震えはどんどんと大きくなっていく。
ロミとルイも先ほどまでは無表情だったのに珍しい反応をしているからか驚きを隠せない。


「……ゴホッ、ゴホ」

「こ、これに懲りたら大人しくしていなさい!」

「今日はこのくらいにしておいてやるわ! これ以上、アナベル様に刃向かわないことね」


激しく咳き込み出したシャルレーヌを見て、二人は焦ったように部屋を出て行ってしまった。
しかも主人の名前まで口にしているではないか。
二人の足音がパタパタと遠のいていくが、それと同時に「大丈夫なの!?」と、心配そうな声が聞こえた。

ロミが持ってきた布がシャルレーヌを包み込むように背に触れるが、手を上げてそれを制する。
それでも震えるのを止められそうになかった。
周囲が静かになったのを確かめてからシャルレーヌは顔を上げた。


「ンフ……フフッ!」

「シャルレーヌ様」

「アハハハッ……!」


シャルレーヌは噴き出すように笑った。
先ほども震えながら笑うのを我慢していたのだ。
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