約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
「私にはね、妹のように大切な存在の子がいるの」
「妹のように大切な存在……?」
「君嶋 梓沙……和葉さんの旦那様を狙っていた人よ。以前お見合いしていなかった?」
「あの、お見合いの相手…………。その方と里菜さんは、どういう関係なの?」
「梓沙のお父様と私の父が知り合いで学生時代から交流があったのよ。梓沙は私より四つ下だから、一人っ子の私にとって妹のような存在なの。だから大人になっても定期的に会っていたし、梓沙には色々悩みを相談してた。そんな中で、梓沙が私にお願いしてきたのよ」

 里菜は梓沙に和葉や湊を探ることになった経緯を順に話始めた。

「ねぇ、里菜ちゃん、少し前に、ある方とお見合いするって話したでしょう?」
「ああ、うん、あったね」
「あの縁談、駄目になりそうなの」
「え?」
「……相手の人にね、好きな人がいたの」
「お見合いしたのに?」
「彼はお父様に言われて嫌々だったみたいで……」
「何それ、酷い話だわ」
「……でも、私、彼のこと、諦めたくないの……」
「梓沙……」
「諦めた方が……いいのかな?」
「想い人がいるって、二人は上手くいきそうなの?」
「……彼のお父様から聞いた話だと、彼は相手の女に誑かされているって……」
「何それ? それじゃあ相手の女が悪いんじゃない。彼のお父様は梓沙のこと気に入ってるんでしょう?」
「……うん、そう言ってくれてる」
「お父様の方から言ってもらえないのかしら?」
「彼が聞く耳を持たないみたいで……」
「梓沙、そんな男、やめといた方がいいよ。他にも良い人がいるって……」
「嫌! 私、彼に一目惚れしたの! 諦めきれない! ねぇ里菜ちゃん、お願い! 相手の女と接触して、彼と別れるように仕向けて!」
「え?」
「相手の女にはね、子供がいるの……ちょうど卓也くんと同い年くらいの子が。だから偶然を装って近づいて、色々探りを入れてくれない? 駄目?」
「梓沙……」

 妹のように可愛がっていた梓沙からの頼みとあって里菜は悩んだ末に、

「分かったわ、とりあえず、その女と接触してみるよ」

 梓沙の力になれたらという思いから梓沙の話を鵜呑みにした里菜は和葉に近づくことを了承した。
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