約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
「あいたい! あえるの? あって、おじーちゃんにはやくよくなってねっていいたい!」
瞳を輝かせて期待に胸を膨らませる詩音のその無邪気な姿を見つめながら和葉は心配そうに湊へと視線を向けた。
「湊さん……」
詩音の願いを叶えてあげたいけれど、今の義父が自分たちとの面会を本当に望んでいるのか和葉には分からず、そんな和葉の思不安を察したのかは湊は真宙へと目を向ける。
「真宙、叔父に伝えてくれ。明日の朝、家族で親父に会いに行くと」
「湊様……よろしいのですか?」
「ああ、いいんだ。詩音が望むなら、それでいい」
迷いのない声で答える湊に和葉は思わず目を見開いた。
「湊さん……」
「畏まりました」
真宙は一礼すると、すぐさま玄関を出て叔父への連絡を取り、それを見届けた湊は詩音へ優しく声を掛ける。
「詩音」
「なあに?」
「明日、旅行に行く前におじいちゃんに会いに行こう」
「えっ!? ほんと!?」
「ああ、本当だよ」
「わぁーい! おじーちゃんにあえる!」
祖父に会えると分かった途端、詩音は嬉しそうに飛び跳ね、その無邪気な喜びように湊も思わず表情を和らげた。
そんな二人を見つめていた和葉はそっと湊の服の袖を引いた。
「湊さん、いいの?」
「勝手に決めて悪かった……和葉は嫌じゃないか?」
意見も聞かず勝手に決めてしまったことを申し訳なさそうに尋ねる湊に和葉は小さく首を横に振った。
「私は……大丈夫。でも、お義父様は本当に歓迎してくださるの? 私や詩音が行っても……」
「問題ない」
湊はそう答えると、わずかに目を伏せた。
「……親父が、初めて俺の前で泣いたんだ。謝罪しながら……」
「そう、だったの……」
「ああ。詩音の絵が、そうさせてくれたんだ……感謝しねぇとな」
父親が自分に向かって涙を流し謝罪した事実を思い返すように語る湊の横顔には、これまでとは違う感情が滲んでいた。
「そう……良かった……」
それを聞いた和葉は静かに微笑んだ。
詩音が描いた一枚の絵が長い間閉ざされていた父と息子の心を繋ぐきっかけになったことを喜びながら。
こうしてそれぞれの思いを胸に夜を過ごした湊たちはいつも通りに朝を迎えていた。
おめかしをした詩音は起きてからご機嫌で、湊と和葉の手をしっかりと握り、弾む足取りで病院へと出発する。
病院に到着すると入り口で待っていた叔父が三人を出迎え、叔父に案内されて病室へと向かった。
病室の前に辿り着くと叔父がドアを開き、
「兄さん、湊たちが来たよ」
そう声を掛けたその瞬間、
「おじーちゃん、はじめまして! しおんです!」
待ちきれないと叔父の後ろからひょっこり顔を覗かせた詩音が元気いっぱいに挨拶をすると、ベッドに横たわっていた父親は詩音の姿を目にした途端に柔らかな表情を浮かべた。
「……ああ、よく来てくれたね」
穏やかに微笑むその顔に湊も和葉も案内してきた叔父も思わず目を見張る。
かつての父親を知る者たちにとって、それは驚くほど見慣れない表情だったけれど、どこか温かい気持ちになりながら病室へ一歩足を踏み入れていった。
瞳を輝かせて期待に胸を膨らませる詩音のその無邪気な姿を見つめながら和葉は心配そうに湊へと視線を向けた。
「湊さん……」
詩音の願いを叶えてあげたいけれど、今の義父が自分たちとの面会を本当に望んでいるのか和葉には分からず、そんな和葉の思不安を察したのかは湊は真宙へと目を向ける。
「真宙、叔父に伝えてくれ。明日の朝、家族で親父に会いに行くと」
「湊様……よろしいのですか?」
「ああ、いいんだ。詩音が望むなら、それでいい」
迷いのない声で答える湊に和葉は思わず目を見開いた。
「湊さん……」
「畏まりました」
真宙は一礼すると、すぐさま玄関を出て叔父への連絡を取り、それを見届けた湊は詩音へ優しく声を掛ける。
「詩音」
「なあに?」
「明日、旅行に行く前におじいちゃんに会いに行こう」
「えっ!? ほんと!?」
「ああ、本当だよ」
「わぁーい! おじーちゃんにあえる!」
祖父に会えると分かった途端、詩音は嬉しそうに飛び跳ね、その無邪気な喜びように湊も思わず表情を和らげた。
そんな二人を見つめていた和葉はそっと湊の服の袖を引いた。
「湊さん、いいの?」
「勝手に決めて悪かった……和葉は嫌じゃないか?」
意見も聞かず勝手に決めてしまったことを申し訳なさそうに尋ねる湊に和葉は小さく首を横に振った。
「私は……大丈夫。でも、お義父様は本当に歓迎してくださるの? 私や詩音が行っても……」
「問題ない」
湊はそう答えると、わずかに目を伏せた。
「……親父が、初めて俺の前で泣いたんだ。謝罪しながら……」
「そう、だったの……」
「ああ。詩音の絵が、そうさせてくれたんだ……感謝しねぇとな」
父親が自分に向かって涙を流し謝罪した事実を思い返すように語る湊の横顔には、これまでとは違う感情が滲んでいた。
「そう……良かった……」
それを聞いた和葉は静かに微笑んだ。
詩音が描いた一枚の絵が長い間閉ざされていた父と息子の心を繋ぐきっかけになったことを喜びながら。
こうしてそれぞれの思いを胸に夜を過ごした湊たちはいつも通りに朝を迎えていた。
おめかしをした詩音は起きてからご機嫌で、湊と和葉の手をしっかりと握り、弾む足取りで病院へと出発する。
病院に到着すると入り口で待っていた叔父が三人を出迎え、叔父に案内されて病室へと向かった。
病室の前に辿り着くと叔父がドアを開き、
「兄さん、湊たちが来たよ」
そう声を掛けたその瞬間、
「おじーちゃん、はじめまして! しおんです!」
待ちきれないと叔父の後ろからひょっこり顔を覗かせた詩音が元気いっぱいに挨拶をすると、ベッドに横たわっていた父親は詩音の姿を目にした途端に柔らかな表情を浮かべた。
「……ああ、よく来てくれたね」
穏やかに微笑むその顔に湊も和葉も案内してきた叔父も思わず目を見張る。
かつての父親を知る者たちにとって、それは驚くほど見慣れない表情だったけれど、どこか温かい気持ちになりながら病室へ一歩足を踏み入れていった。