約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
新たな始まり
「ご無沙汰しております、お義父様」
和葉が静かに声を掛けると父親はゆっくりと顔を上げた。
「……ああ……その節は、本当に申し訳ないことをした。今更謝ったところで、どうにもならないかもしれないが……本当に、すまなかった」
絞り出すような謝罪の言葉に和葉はわずかに視線を落とした。
「……いえ……お義父様のお気持ちも、分からないわけではありませんでしたから……。ただ、子供のことだけは、本当に悲しくて……」
「すまない……あんなに可愛らしい孫のことを、私は……。本当に、何と詫びればいいのか……」
目の前で涙を堪えながら謝り続ける父親を湊と和葉は複雑な面持ちで見つめていたそのとき、祖父の泣いている姿に気づいた詩音が叔父が止める間もなく三人の元へ駆け寄って行く。
「パパ、ママ!」
突然の声に二人が振り返った。
「詩音……」
詩音は三人の間に立つと目の前の祖父を見上げ、小さな顔いっぱいに不安を浮かべながら問い掛けた。
「おじーちゃん、ないてる……パパとママが、なかせたの?」
「それは……」
思いもよらない問い掛けに湊と和葉は顔を見合わせた。
幼い詩音にどう説明すればいいかと答えに窮していると父親が先に口を開いた。
「詩音ちゃん、違うんだよ……私はね、嬉しくて泣いているんだ……」
父親は涙を拭い幼い詩音を安心させるように出来るだけ穏やかな声で語り掛けた。
「うれしくて?」
「ああ、詩音ちゃんに会えたことも、パパやママに会えたことも、本当に嬉しいんだよ」
そう言って微笑む父親の顔には薄ら涙の跡が残っている。
その姿を見つめていた湊は詩音をそっと抱き上げた。
「驚かせてごめんな詩音、パパたちはもう少しだけお話があるんだ。あっちでおじいちゃんの絵を描いていてくれるかな?」
「うん、わかった!」
「叔父さん、お願いします」
「ああ、詩音ちゃん、おじさんと一緒にあっちへ行こうか」
「うん!」
叔父に手を引かれた詩音は再び元居た場所へと戻っていく。
その小さな背中を見送ると、父親は改めて二人に向き直った。
「……湊、和葉さん…………今更、許してくれとは言わない。私が二人から、共に過ごすはずだった時間を奪い……家族で過ごせる時間までも奪ってしまった。その罪を、どう償えばいいのか……私には分からない……」
一度言葉を切った父親は深く頭を下げた。
「ただ、このまま何もしないのでは私の気が済まないんだ。何か望むことがあるのなら、何でも言ってほしい……。二度と顔を見せるな、もう関わるなというのなら、その言葉に従う……ただ、その場合でも、せめて何かの形で償わせてほしい」
その姿から彼が心から後悔していることは二人にも痛いほど伝わっていた。
だからこそ湊も和葉もどう答えるべきなのか分からなかった。
簡単に許せることではないけれど、目の前で悔恨に苦しむ父親をいつまでも責め続けたいわけでもない。
二人はそっと視線を交わすと、和葉が何かを伝えようとしていることに気づいた湊は彼女に任せるという意味を込めて静かに頷いた。
それを受けた和葉は笑みを浮かべ、深く頭を下げ続ける父親に優しく声を掛ける。
「……お義父様、どうか顔を上げてください」
その声に父親の肩が微かに揺れた。
和葉が静かに声を掛けると父親はゆっくりと顔を上げた。
「……ああ……その節は、本当に申し訳ないことをした。今更謝ったところで、どうにもならないかもしれないが……本当に、すまなかった」
絞り出すような謝罪の言葉に和葉はわずかに視線を落とした。
「……いえ……お義父様のお気持ちも、分からないわけではありませんでしたから……。ただ、子供のことだけは、本当に悲しくて……」
「すまない……あんなに可愛らしい孫のことを、私は……。本当に、何と詫びればいいのか……」
目の前で涙を堪えながら謝り続ける父親を湊と和葉は複雑な面持ちで見つめていたそのとき、祖父の泣いている姿に気づいた詩音が叔父が止める間もなく三人の元へ駆け寄って行く。
「パパ、ママ!」
突然の声に二人が振り返った。
「詩音……」
詩音は三人の間に立つと目の前の祖父を見上げ、小さな顔いっぱいに不安を浮かべながら問い掛けた。
「おじーちゃん、ないてる……パパとママが、なかせたの?」
「それは……」
思いもよらない問い掛けに湊と和葉は顔を見合わせた。
幼い詩音にどう説明すればいいかと答えに窮していると父親が先に口を開いた。
「詩音ちゃん、違うんだよ……私はね、嬉しくて泣いているんだ……」
父親は涙を拭い幼い詩音を安心させるように出来るだけ穏やかな声で語り掛けた。
「うれしくて?」
「ああ、詩音ちゃんに会えたことも、パパやママに会えたことも、本当に嬉しいんだよ」
そう言って微笑む父親の顔には薄ら涙の跡が残っている。
その姿を見つめていた湊は詩音をそっと抱き上げた。
「驚かせてごめんな詩音、パパたちはもう少しだけお話があるんだ。あっちでおじいちゃんの絵を描いていてくれるかな?」
「うん、わかった!」
「叔父さん、お願いします」
「ああ、詩音ちゃん、おじさんと一緒にあっちへ行こうか」
「うん!」
叔父に手を引かれた詩音は再び元居た場所へと戻っていく。
その小さな背中を見送ると、父親は改めて二人に向き直った。
「……湊、和葉さん…………今更、許してくれとは言わない。私が二人から、共に過ごすはずだった時間を奪い……家族で過ごせる時間までも奪ってしまった。その罪を、どう償えばいいのか……私には分からない……」
一度言葉を切った父親は深く頭を下げた。
「ただ、このまま何もしないのでは私の気が済まないんだ。何か望むことがあるのなら、何でも言ってほしい……。二度と顔を見せるな、もう関わるなというのなら、その言葉に従う……ただ、その場合でも、せめて何かの形で償わせてほしい」
その姿から彼が心から後悔していることは二人にも痛いほど伝わっていた。
だからこそ湊も和葉もどう答えるべきなのか分からなかった。
簡単に許せることではないけれど、目の前で悔恨に苦しむ父親をいつまでも責め続けたいわけでもない。
二人はそっと視線を交わすと、和葉が何かを伝えようとしていることに気づいた湊は彼女に任せるという意味を込めて静かに頷いた。
それを受けた和葉は笑みを浮かべ、深く頭を下げ続ける父親に優しく声を掛ける。
「……お義父様、どうか顔を上げてください」
その声に父親の肩が微かに揺れた。