約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
 福岡に到着した三人は、まず宿泊先のホテルへと向かう。

 飛行機の中でもたっぷり眠った詩音はすっかり元気を取り戻し、初めて訪れる土地に興味津々の様子で湊や和葉の顔を交互に見上げる。

「ねぇねぇ、これからどこいくのー?」
「そうだなぁ、少しホテルでゆっくりしてから、ご飯を食べたり色々なお店を見て回ったりしようか」
「明日は水族館に行く予定だよ」
「ほんと!? たのしみー!」

 目を輝かせて喜ぶ詩音に二人の顔にも自然と笑みが浮かぶ。

 無邪気にはしゃぐ詩音の姿を見ていると、こうして家族三人で旅行に来られてよかったという嬉しさが込み上げてくる。

 ホテルに到着すると三人は案内された部屋へ入り、荷物を置いて一息ついたところで湊はベッドに腰を下ろし、そのまま横になって身体を休める。

 すると、すぐさま詩音が隣に寝転んでくる。

「パパー、ぎゅーってして?」

 甘えるように身を寄せてくる詩音に湊は笑みを浮かべて腕を広げる。

「いいよ、おいで」
「詩音、パパは休んでるんだからあんまり邪魔しちゃ駄目よ?」

 和葉がたしなめると詩音はきょとんとした顔で首を傾げた。

「じゃましてないよ? くっついてるだけー!」
「ははっ、そうだよな。くっついてるだけだもんな」

 詩音の言い分に湊は楽しそうに笑うと和葉へと視線を向けて隣のスペースをぽんぽんと叩いた。

「和葉もこっちに来ないか? 詩音もママが一緒の方が嬉しいよな?」
「うん! ママもきて?」

 詩音が期待に満ちた瞳で見つめてくるものだから和葉は困ったように笑うしかなく、

「もう、しょうがないなぁ……」

 そう言いながら二人の隣で横になると、待ってましたとばかりに詩音は二人にぴったりとくっつき、湊もそんな詩音を抱き寄せながら和葉の肩へと腕を回した。

「えへへ、みんな一緒!」
「そうだな、みんな一緒だな」

 嬉しそうに笑う詩音の頭を撫でながら湊が答え、和葉もまた二人の姿に頬を緩めた。

 旅先での予定をあれこれ考えるのも楽しいけれど、こうして三人で何気ない時間を過ごすのも悪くないと思いながら、じゃれ合ったり他愛のない会話を交わたりのんびりとした時間を過ごすのだった。
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