約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
もう一度初めから
 初めは触れるだけの軽い口付けだったけれど、離れてはまた重ね、少しずつ角度を変えながら交わされるキスは次第に深いものへと変わっていく。

「……っん、……はぁ……っ、んん……」

 微かに開いた唇から和葉の吐息が漏れた。

「……み、……なと、……さん……っ」

 このまま続けば、きっとキスだけでは済まなくなる。

 そう思った和葉は何とか湊から逃れようとするけれど、

「……っんん……」

 言葉を遮るように再び唇を塞がれ、そのまま身体をソファーへと押し倒された。

(ダメ……このままじゃ……)

 頭ではそう理解しているのに不思議と拒むことが出来ずに流される中、

「ママぁ……おにーちゃん……」

 寝室のほうから小さな声が聞こえてきた。

 その声を聞いた瞬間湊の動きが止まり、重なっていた唇がゆっくりと離れていく。

「――悪い」

 そしてそう一言だけ告げると和葉の上から身体を退けた。

「……ううん」

 和葉も小さく首を振りながら身体を起こすと、少し乱れた髪を手早く整えソファーから降りて寝室へ向かった。

「ママぁ……」

 ベッドの上では詩音が不安そうな顔をして泣いていた。

「詩音、どうしたの?」
「こわいぃ……」
「さっきの雷で、眠りが浅くなっちゃったのかな?」

 和葉はベッドの端に腰を下ろすと泣きじゃくる詩音を優しく抱き締める。

「大丈夫だよ。もう怖くないからね」
「うぇぇん……」

 まだ雷の音が聞こえるたびに身を震わせる詩音の背中を和葉はゆっくりと撫で続けた。

 すると、少し遅れて湊も寝室へやって来る。

「詩音ちゃん大丈夫?」
「おにーちゃん……かみなりが……」

 泣きじゃくりながら詩音は雷が怖いのだと訴えた。

「そうか。一人にしてごめんな」

 湊は安心させるように声を掛けると、二人の隣へ腰を下ろした。

「もう少しすれば落ち着くと思うから、それまでは俺も付いてるよ」
「ほんと……?」
「ああ。ママと俺が居れば怖くないだろ?」

 その言葉に詩音は涙を拭うと、

「うん、こわくない」

 と答えて、和葉へ身体を預けながら湊の手を掴むと笑顔を浮かべた。

 元気を取り戻した詩音を前に和葉はほっと息をついたけれど、安心すると先程の出来事を思い出してしまい身体の奥からじわりと体温が上がっていくような気がした。

 それを顔に出せば指摘されるかもしれないと思った和葉は何事もなかったような表情を作り、詩音の背中を優しく撫でながら雷が過ぎ去るのを静かに待った。

 数十分が過ぎた頃、まだ眠いのか瞼が落ちかけている詩音。

 湊の手から詩音の手が離れ、そのままベッドへ寝かせようと和葉がそっと抱き上げたものの、

「しおん、ひとりやだ……ママもおにーちゃんもねないとやだ」

 そう訴え掛けられたことで和葉と湊は顔を見合せ、

「……俺たちも、そろそろ寝るか」
「……そう、だね」

 結局詩音を真ん中にして同じベッドで眠ることにした二人も共に横になることにした。
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