約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
自宅を出た湊は真宙が運転する車の後部座席に身を沈めていた。
そんな湊の様子をバックミラー越しに確認しながら真宙が口を開く。
「社長、お相手の情報はご覧になりましたか?」
「いや。興味もないから見てないな」
あっさり答える湊に真宙は小さくため息をついた。
「まあ、そうおっしゃるとは思っていましたけど……」
そう言いながら信号待ちで車を停めた真宙は助手席に置いていた書類を手に取る。
「一応、大切な取引相手のご令嬢ですから写真やプロフィールくらいは知っておいたほうがよろしいかと。私のほうで簡単にまとめておきましたので少しだけでも目を通してください」
「……はぁ。まあ、そうだな」
真宙の言葉に渋々といった様子で書類を受け取った湊が一枚目をめくったところで見合い相手の写真が目に入った。
そこに写っていたのは黒髪のロングヘアがよく似合う女性だった。
整った顔立ちに控えめな笑み。
派手さはないもののどこか上品で淑やかな雰囲気をまとっている。
まさに誰もが思い浮かべるような「良家のお嬢様」といった印象だ。
続けてプロフィールへ目を通していくと、趣味は茶道や華道、特技も書道や料理など、いかにも育ちの良さを感じさせるものばかりで写真とプロフィールを見る限りでは大人しく物腰の柔らかな女性に見える。
彼女ならばきちんと理由を伝えれば見合いを断っても理解してもらえるのではないかと思った湊は誠心誠意謝罪をしようと決意すると書類を閉じた。
そしてスマートフォンを取り出すと和葉へメッセージを送る。
《何か困ったことはないか?》
《大丈夫だよ。詩音も佐武さんに懐いて一緒に遊んでくれるから家事も捗るし》
その文章を読んだ瞬間、湊の口元がわずかに緩んだ。
これから見合いをするとは思えない程相手に興味は無く、頭の中にあるのは和葉や詩音のことだけ。
そんな湊の表情を真宙はバックミラー越しにちらりと見るも、余計なことを口にせず静かに車を走らせ続けた。
やがて車は目的地である料亭へ到着し、湊はスマートフォンをしまうと気持ちを切り替えるように小さく息を吐いた。
そして車を降りて真宙と共に店内へ入る。
案内された個室の前で仲居が一礼する。
「お待ちのお客様は既にお入りになっております」
「分かった」
湊は短く返事をすると襖の前に立って襖を開けた。
「お待たせいたしました」
姿勢よく座っているのは先程写真で見た見合い相手の君嶋 梓沙。
その隣には付き添いと思われる中年の女性が控えている。
梓沙は湊の姿を確認するとゆっくりと立ち上がった。
「初めまして、本日はお時間をいただきありがとうございます」
「こちらこそ」
こうして、互いの思惑を胸に抱えたまま二人の見合いが幕を開けた。
そんな湊の様子をバックミラー越しに確認しながら真宙が口を開く。
「社長、お相手の情報はご覧になりましたか?」
「いや。興味もないから見てないな」
あっさり答える湊に真宙は小さくため息をついた。
「まあ、そうおっしゃるとは思っていましたけど……」
そう言いながら信号待ちで車を停めた真宙は助手席に置いていた書類を手に取る。
「一応、大切な取引相手のご令嬢ですから写真やプロフィールくらいは知っておいたほうがよろしいかと。私のほうで簡単にまとめておきましたので少しだけでも目を通してください」
「……はぁ。まあ、そうだな」
真宙の言葉に渋々といった様子で書類を受け取った湊が一枚目をめくったところで見合い相手の写真が目に入った。
そこに写っていたのは黒髪のロングヘアがよく似合う女性だった。
整った顔立ちに控えめな笑み。
派手さはないもののどこか上品で淑やかな雰囲気をまとっている。
まさに誰もが思い浮かべるような「良家のお嬢様」といった印象だ。
続けてプロフィールへ目を通していくと、趣味は茶道や華道、特技も書道や料理など、いかにも育ちの良さを感じさせるものばかりで写真とプロフィールを見る限りでは大人しく物腰の柔らかな女性に見える。
彼女ならばきちんと理由を伝えれば見合いを断っても理解してもらえるのではないかと思った湊は誠心誠意謝罪をしようと決意すると書類を閉じた。
そしてスマートフォンを取り出すと和葉へメッセージを送る。
《何か困ったことはないか?》
《大丈夫だよ。詩音も佐武さんに懐いて一緒に遊んでくれるから家事も捗るし》
その文章を読んだ瞬間、湊の口元がわずかに緩んだ。
これから見合いをするとは思えない程相手に興味は無く、頭の中にあるのは和葉や詩音のことだけ。
そんな湊の表情を真宙はバックミラー越しにちらりと見るも、余計なことを口にせず静かに車を走らせ続けた。
やがて車は目的地である料亭へ到着し、湊はスマートフォンをしまうと気持ちを切り替えるように小さく息を吐いた。
そして車を降りて真宙と共に店内へ入る。
案内された個室の前で仲居が一礼する。
「お待ちのお客様は既にお入りになっております」
「分かった」
湊は短く返事をすると襖の前に立って襖を開けた。
「お待たせいたしました」
姿勢よく座っているのは先程写真で見た見合い相手の君嶋 梓沙。
その隣には付き添いと思われる中年の女性が控えている。
梓沙は湊の姿を確認するとゆっくりと立ち上がった。
「初めまして、本日はお時間をいただきありがとうございます」
「こちらこそ」
こうして、互いの思惑を胸に抱えたまま二人の見合いが幕を開けた。