約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
「驚きましたよね? ふふ、予想通りの反応で嬉しいです。貴方のお父様に頼まれたんですよ。これ以上変な虫が寄り付かないよう、どうにかして欲しいって」
「やはり、親父が……」
「……瀬戸 和葉さん、でしたよね?」
「――っ!」
「お父様、心配なさっていましたよ? 何の利益にもならないばかりか子供までいる女なんてって」

 和葉のことまで知っていることに愕然とする湊。

 父親の方が一枚上手だったと自分の甘さを後悔する。

 けれど、和葉を侮辱するような言葉を言ったことに怒りを覚えた湊は、

「親父と結託して俺に何かしようと企んでいるなら話が早い。何を言われようと俺はアンタと一緒になるつもりは無い。例え社長の座を退くことになっても、鳴海の姓を捨てることになってもな」

 睨みつけるように梓沙を見ると吐き捨てるように宣言した。

 それを聞いた梓沙は、

「はあ……。そんな馬鹿なことを仰るなんて……。お父様の言う通り、あの女が悪影響を与えているんですね」

 わざとらしく嘆く振りをして湊を煽っていく。

 そんな時、

「申し訳ございません、社長、お仕事のお電話が入っております……」

 真宙が取り引き先からの電話が掛かってきたと割って入って来た。

「そうか。すぐに折り返す。申し訳ないが、見合いはこれで終わりにしてもらおう。俺の意見を変えるつもりはない。親父にもそう伝えてもらって構わない」

 真宙の言葉を受けた湊は見合いはこれで終わり、意見を変えるつもりもないと一方的に話をすると梓沙から離れていく。

 そして、

「それと、今後和葉に何かするようなら女だろうと容赦はしないからそのつもりで」

 去り際にそのことを念を押して真宙と共に中庭を後にした。

 一人残された梓沙は悲しむことも悔しがることもなく、表情すら変えずに立ち尽くす。

「本当に馬鹿な男。世の中利益に繋がらない人間に価値なんて無いのに。でも残念、私も鳴海会長もこの程度で諦める訳がないし、何より会長がバックについているんだもの、私は無敵なんだから」

 誰に聞かせるわけでもなく独り言のように呟きながら梓沙はスマートフォンを取り出すとどこかへ電話をかけた。

「ごめんなさい、今日のお見合いは失敗に終わりました。ですが、私はまだ諦めませんのでご安心ください。……はい、分かりました。それではまた後日。失礼致します」

 電話の相手は湊の父親で、二人は諦めるどころか何か仕掛けようと企んでいたのだった。
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