約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
 それからタクシーに乗って和葉が以前から気になっていたという洋食屋へ向かい、そこで夕食を済ませた三人は自宅へ戻ると和葉と詩音は風呂へ向かった。

 二人の姿が浴室へ消え扉が閉まると、その気配を確認したところで湊はスマートフォンを取り出して千宙へ電話をかける。

 数回の呼び出し音のあと千宙が電話に出た。

『もしもし』
「悪いな。公園でのことを詳しく教えてくれ」
『はい。湊さんに言われた通り小型のレコーダーをベンチの下に置いて和葉さんたちの会話を聞きましたが……やっぱり、探っているような節がありましたね』
「……やはりそうか」
『はい。何気ない世間話もありましたけど、和葉さんのことを細かく聞き出そうとしていたように感じました』
「分かった。今、真宙は側にいるか?」
『あ、はい。ちょっと待ってくださいね』

 千宙が電話を繋いだままその場を離れると、少しして真宙が電話に出た。

『お待たせしました。社長に言われた通り大内さんについて調べました』
「それで、どうだった?」
『結論から申し上げますと、直接ではありませんが会長と繋がりがありますね』
「……そうか」
『まだはっきりと分かったわけではないですが、恐らく君嶋のご令嬢を経由しているのではないかと』
「やはりな」

 それは湊が予想していた答えだった。

「大内 里菜はどんな女なんだ? 旦那はいるのか?」
『はい。五歳年上の旦那がいるようです』

 真宙は手元の資料を確認しながら続ける。

『ただ、夫婦仲はあまり良好ではないという情報があります。旦那の方は仕事を終えると自宅へ戻らず愛人らしき女性のもとへ入り浸っているとの報告も』
「そうか……」
『何か新たな情報が得られましたら、すぐにご報告します』
「ああ、ありがとう。頼むよ」
『承知しました』

 そこで通話を終えた湊はスマートフォンをテーブルの上へ置いて深く息を吐いたその直後、風呂から上がった詩音がリビングのドアを開けて駆けて来る。

「パパー!」

 そんな詩音に続いて和葉も姿を見せた。

「詩音、まだ髪乾かしてないでしょ?」
「やだー、まだいい」
「駄目よ、すぐに乾かさなきゃ」

 髪を乾かすのがあまり好きでは無い詩音が駄々をこねると見かねた湊は、

「詩音、俺が乾かしてやるからもう一度洗面所へ行こう」

 自分が乾かすと提案すると、

「パパがしてくれるならいいよ!」

 そう言って湊に抱きつき、大人しく髪を乾かしに向かっていった。
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