約束の続きをもう一度~再会した御曹司の彼は、娘ごと私を甘やかして離しません~
千宙と入れ違うように湊は家を出て行き、その背中を見送った和葉の胸には言いようのない不安が重くのしかかっていた。
それでも詩音の前で不安を悟られるわけにはいかないので、いつもと変わらない笑顔を作っていつも通りに過ごす。
そんな中ふいにスマートフォンが震えて画面を確認すると、そこには里菜からのメッセージが届いていた。
《和葉さん、明後日時間あるかしら?》
その文章を見つめて和葉はほんの僅かに目を伏せる。
《はい。ちょうど私も里菜さんにお話ししたいことがあるので、会いたいです》
送信ボタンを押した指先は僅かに震えていた。
(次は、何を探るつもりなんだろう……きちんと話して……もう、終わりにしないと)
そう覚悟を決めると和葉は暫くの間、里菜とメッセージを交わし続けた。
一方その頃、湊は真宙を伴い実家を訪れていた。
父親の私室の前で立ち止まると真宙が一礼してから扉を開く。
「会長、社長をお連れしました」
そう告げて二人が父親の私室へと足を踏み入れたその瞬間だった。
「湊、お前は何てことをしたんだ!!」
父親は湊の顔を見るなり手にしていた本を勢いよく投げつけた。
湊が身じろぎ一つせずそれを避けると床に落ちた本が鈍い音を立てた。
「社長、どうか落ち着いてください」
すぐさま真宙が間に入ろうとするも、父親は怒りを露わにしたまま真宙を睨みつけた。
「うるさい! 真宙、お前は下がっていろ!」
「……真宙はこの場に同席させる。それが無理なら俺はアンタと話をするつもりはない」
「貴様……!」
父親は拳を握り締めるも湊の表情は変わらない。
結局真宙を退室させることを諦めた父親は苛立ちを隠そうともせず二人を睨みつけた。
「どういうつもりなんだ!?」
「何が?」
「結婚だ!」
父親の怒声が部屋に響く。
「あの女と勝手に籍を入れただろう!!」
その言葉を聞いた瞬間湊の目が鋭く細められた。
「あの女……? 俺の妻を、“あの女”などと言うな」
「何を言っている! お前は鳴海家の跡取りなんだぞ! 結婚相手について私に相談もせず勝手に籍を入れるなど――」
「結婚に関しては前から言っていただろう。俺は俺が思う相手としかしないって」
「そんな我が儘がまかり通ると思うな!」
「我が儘? 俺は俺のやりたいようにやっているだけだ。父親だからって俺の将来を決める権利があるわけじゃないだろう?」
「お前は鳴海家の跡取りだ! 私の意見に従うのは当然だろう!」
「前にも言ったはずだ、俺はアンタとも鳴海家とも関わりを断つ」
「何だと……?」
「俺はもう鳴海家の跡取りでもない。アンタの息子でもない。今日はそのことを改めて話しに来ただけだ」
「貴様……本気で言っているのか?」
「社長の座も降りる。俺の後は大我に継いでもらう。もう引き継ぎも済ませてある」
「……何もかも勝手に決めおって……!」
「現社長は俺だ。アンタは“会長”という肩書きだけで、もう経営からは退いている。アンタに相談する義理もない。俺が自分のことをどう決めようが問題ないだろう?」
「ふざけるな! 会社をここまで大きくしたのは私だ! お前を育てたのもこの私だ!」
その言葉に湊の表情が僅かに変わる。
それでも詩音の前で不安を悟られるわけにはいかないので、いつもと変わらない笑顔を作っていつも通りに過ごす。
そんな中ふいにスマートフォンが震えて画面を確認すると、そこには里菜からのメッセージが届いていた。
《和葉さん、明後日時間あるかしら?》
その文章を見つめて和葉はほんの僅かに目を伏せる。
《はい。ちょうど私も里菜さんにお話ししたいことがあるので、会いたいです》
送信ボタンを押した指先は僅かに震えていた。
(次は、何を探るつもりなんだろう……きちんと話して……もう、終わりにしないと)
そう覚悟を決めると和葉は暫くの間、里菜とメッセージを交わし続けた。
一方その頃、湊は真宙を伴い実家を訪れていた。
父親の私室の前で立ち止まると真宙が一礼してから扉を開く。
「会長、社長をお連れしました」
そう告げて二人が父親の私室へと足を踏み入れたその瞬間だった。
「湊、お前は何てことをしたんだ!!」
父親は湊の顔を見るなり手にしていた本を勢いよく投げつけた。
湊が身じろぎ一つせずそれを避けると床に落ちた本が鈍い音を立てた。
「社長、どうか落ち着いてください」
すぐさま真宙が間に入ろうとするも、父親は怒りを露わにしたまま真宙を睨みつけた。
「うるさい! 真宙、お前は下がっていろ!」
「……真宙はこの場に同席させる。それが無理なら俺はアンタと話をするつもりはない」
「貴様……!」
父親は拳を握り締めるも湊の表情は変わらない。
結局真宙を退室させることを諦めた父親は苛立ちを隠そうともせず二人を睨みつけた。
「どういうつもりなんだ!?」
「何が?」
「結婚だ!」
父親の怒声が部屋に響く。
「あの女と勝手に籍を入れただろう!!」
その言葉を聞いた瞬間湊の目が鋭く細められた。
「あの女……? 俺の妻を、“あの女”などと言うな」
「何を言っている! お前は鳴海家の跡取りなんだぞ! 結婚相手について私に相談もせず勝手に籍を入れるなど――」
「結婚に関しては前から言っていただろう。俺は俺が思う相手としかしないって」
「そんな我が儘がまかり通ると思うな!」
「我が儘? 俺は俺のやりたいようにやっているだけだ。父親だからって俺の将来を決める権利があるわけじゃないだろう?」
「お前は鳴海家の跡取りだ! 私の意見に従うのは当然だろう!」
「前にも言ったはずだ、俺はアンタとも鳴海家とも関わりを断つ」
「何だと……?」
「俺はもう鳴海家の跡取りでもない。アンタの息子でもない。今日はそのことを改めて話しに来ただけだ」
「貴様……本気で言っているのか?」
「社長の座も降りる。俺の後は大我に継いでもらう。もう引き継ぎも済ませてある」
「……何もかも勝手に決めおって……!」
「現社長は俺だ。アンタは“会長”という肩書きだけで、もう経営からは退いている。アンタに相談する義理もない。俺が自分のことをどう決めようが問題ないだろう?」
「ふざけるな! 会社をここまで大きくしたのは私だ! お前を育てたのもこの私だ!」
その言葉に湊の表情が僅かに変わる。