夜を誘惑する華――Jazz singer
ステージのライトが、薄暗い青色の光に変わると、3人の男性が上がった。
登場に拍手が起こると、合図もないのに一斉に静まり返る。楽器を構えると……奏で始めた。
始まりの音色から心を掴み熱くする程の、高くて切ないトランペットの音が鳴り響く。それに続いて、心臓の鼓動を操るようにドラムが繊細にリズムを刻む。ベースは2つの音に深みを出すと、さっき程までとは違う感情を抱かせられる。
私の感情は3人の演奏で支配された。
胸を躍らせながら聞き入ると演奏が止まる――どうしんだろう?――と思っていると、歓声と拍手で呆気にとられた。突然演奏が終わった訳じゃなかった事に、周りの反応を見渡して気付く、それ程に心を奪われていた。
その後も心を動かすステージが続いた。
少数のグループではあるが、ジャズシンガーの人も生演奏の中で歌っている。こんなにも刺激的な体験をするのは初めてで、興奮が冷めるのに長い時間が掛かった。
ステージは一次休憩になると、先程まで飲んでいたカウンター席に戻り座た。帰ってきた私を見つけたネコが、ウキウキで話し掛ける。
「生演奏どうだった?」
「胸の鼓動が収まらないぐらい……感激を受けました」
「あらぁ、良かったわ」
続きのステージを楽しみにしていると、それを見たネコは魅力的な提案をする。
「再開するまで時間があるから……良かったら食事かお酒飲む?」
丁度お腹を減らしていたので、メニュー表を貰って確認すると驚いた! バ-とは思えない程、料理の種類が多く驚きを隠せない。しかも、値段を見ると破格の安さで更に驚く。
「どれも美味しそうで魅力的何ですけど……値段が安くてビックリです!」
この反応が見たかったと、思わせる笑みをしながら慣れた口ぶりで話す。
「うちは、料理とお酒で利益をとる気はないのよ。主な収入源は、特別な日のステージのチケットと、見返りのない支援のみなの。でもね、あたしが魅力的なママだから、ガッポリ儲けているわよ。……ふふ、分かる人に分かるのよね。料理とお酒は一流だから安心して注文してね」
期待を胸に、好きな料理を注文する。
しばらくすると、美味しい香りが近づき目の前に置かれた。ふわふわなオムライスだ! 美味しそう……「いただきます」
スプーンで卵を割ると、中から香ばしい鳥の香りが広がる。あー、この匂い……たまらない。ご飯と卵を一緒にすくうと、ゆっくり味わった。
鳥の旨味とトマトの酸味が重なり、深い味わいが口の中にジュワーっと広がる。
「美味しい!!」
幸せいっぱいにペロりと平らげると、右2つ先に座っている格好いい男性に話し掛けられた。
「美味しそうに食べてたね」
ニコッとした笑みを見て、何だか恥ずかしくなってきた。口元を吹いて「ごちそうさまでした」と言ってから皿を渡すと、先程声を掛けられた男性が興味を持って話す。
「初めて見る顔だけど……どういう経緯で、ここの素敵なお店にたどり着けたのかなぁ?」
私の気分が上がっていた事もあり、見ず知らずの優しそうな男性とお話する事を決めて、ここに来た経緯を話した。
「スミレか……俺も好きだなぁ、彼女の歌声。耳に焼き付いて離れない。スミレに似た声を持つ人は居ないけど、初めてのジャズのステージは楽しめたかなぁ?」
「はい……とっても素敵な体験でした」
「……そっか。じゃ忘れられない夜にしないとね」
え……? どういうこと。悩んでいると、彼は時計を確認してママに話す。内容は聞こえないが、ケースを片手に持って、私の手を掴みステージの方向へ誘う。
前の空いている席に座らせられてから、彼はステージに上がる。
状況が分からずに困惑していると、歓声が起きてアナウンスが入る。今からステージを再開しますと……。
登場に拍手が起こると、合図もないのに一斉に静まり返る。楽器を構えると……奏で始めた。
始まりの音色から心を掴み熱くする程の、高くて切ないトランペットの音が鳴り響く。それに続いて、心臓の鼓動を操るようにドラムが繊細にリズムを刻む。ベースは2つの音に深みを出すと、さっき程までとは違う感情を抱かせられる。
私の感情は3人の演奏で支配された。
胸を躍らせながら聞き入ると演奏が止まる――どうしんだろう?――と思っていると、歓声と拍手で呆気にとられた。突然演奏が終わった訳じゃなかった事に、周りの反応を見渡して気付く、それ程に心を奪われていた。
その後も心を動かすステージが続いた。
少数のグループではあるが、ジャズシンガーの人も生演奏の中で歌っている。こんなにも刺激的な体験をするのは初めてで、興奮が冷めるのに長い時間が掛かった。
ステージは一次休憩になると、先程まで飲んでいたカウンター席に戻り座た。帰ってきた私を見つけたネコが、ウキウキで話し掛ける。
「生演奏どうだった?」
「胸の鼓動が収まらないぐらい……感激を受けました」
「あらぁ、良かったわ」
続きのステージを楽しみにしていると、それを見たネコは魅力的な提案をする。
「再開するまで時間があるから……良かったら食事かお酒飲む?」
丁度お腹を減らしていたので、メニュー表を貰って確認すると驚いた! バ-とは思えない程、料理の種類が多く驚きを隠せない。しかも、値段を見ると破格の安さで更に驚く。
「どれも美味しそうで魅力的何ですけど……値段が安くてビックリです!」
この反応が見たかったと、思わせる笑みをしながら慣れた口ぶりで話す。
「うちは、料理とお酒で利益をとる気はないのよ。主な収入源は、特別な日のステージのチケットと、見返りのない支援のみなの。でもね、あたしが魅力的なママだから、ガッポリ儲けているわよ。……ふふ、分かる人に分かるのよね。料理とお酒は一流だから安心して注文してね」
期待を胸に、好きな料理を注文する。
しばらくすると、美味しい香りが近づき目の前に置かれた。ふわふわなオムライスだ! 美味しそう……「いただきます」
スプーンで卵を割ると、中から香ばしい鳥の香りが広がる。あー、この匂い……たまらない。ご飯と卵を一緒にすくうと、ゆっくり味わった。
鳥の旨味とトマトの酸味が重なり、深い味わいが口の中にジュワーっと広がる。
「美味しい!!」
幸せいっぱいにペロりと平らげると、右2つ先に座っている格好いい男性に話し掛けられた。
「美味しそうに食べてたね」
ニコッとした笑みを見て、何だか恥ずかしくなってきた。口元を吹いて「ごちそうさまでした」と言ってから皿を渡すと、先程声を掛けられた男性が興味を持って話す。
「初めて見る顔だけど……どういう経緯で、ここの素敵なお店にたどり着けたのかなぁ?」
私の気分が上がっていた事もあり、見ず知らずの優しそうな男性とお話する事を決めて、ここに来た経緯を話した。
「スミレか……俺も好きだなぁ、彼女の歌声。耳に焼き付いて離れない。スミレに似た声を持つ人は居ないけど、初めてのジャズのステージは楽しめたかなぁ?」
「はい……とっても素敵な体験でした」
「……そっか。じゃ忘れられない夜にしないとね」
え……? どういうこと。悩んでいると、彼は時計を確認してママに話す。内容は聞こえないが、ケースを片手に持って、私の手を掴みステージの方向へ誘う。
前の空いている席に座らせられてから、彼はステージに上がる。
状況が分からずに困惑していると、歓声が起きてアナウンスが入る。今からステージを再開しますと……。


