落下点《短編》
"もう一緒に住んでまえば?って友達に言われてん"
秋の中頃だっただろうか。そう言えば少し前に、そんな他愛もない話をしたのを思い出す。
あたしたちが始まってから二度目の冬が来ていた。もうコタツに潜り込んだら出てこれない、そんな寒さを肌にじんじんと感じるような時期になっていた。
「…なーんてな」
何も答えないでいたら、陣ちゃんが笑ってそう呟いた。
すっぽりこたつに埋まったからだ。こたつ虫になり果てた、陣ちゃんとあたし。
…なんだか胸の奥がきゅうってなって、でも言葉は出なくって。
だから触れたままだった足の裏を、さらにぎゅうって、ぴったり合わさるように、くっつけたんだ。
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