落下点《短編》

"もう一緒に住んでまえば?って友達に言われてん"


秋の中頃だっただろうか。そう言えば少し前に、そんな他愛もない話をしたのを思い出す。

あたしたちが始まってから二度目の冬が来ていた。もうコタツに潜り込んだら出てこれない、そんな寒さを肌にじんじんと感じるような時期になっていた。


「…なーんてな」


何も答えないでいたら、陣ちゃんが笑ってそう呟いた。

すっぽりこたつに埋まったからだ。こたつ虫になり果てた、陣ちゃんとあたし。


…なんだか胸の奥がきゅうってなって、でも言葉は出なくって。

だから触れたままだった足の裏を、さらにぎゅうって、ぴったり合わさるように、くっつけたんだ。























.
< 21 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop