**confection**
栗本がどう感じたのか。
今何を思っているのか……。
それはきっと、俺とさほど大差はないのだろう。
「ん?誰だよ。宇佐見って」
「知らない…」
改まって、龍雅がももの手元のメモ用紙を覗き込んでいる。
打って変わって落ち着いたような口振りに、再び言いようのない不安感に襲われた。
溜め息が後からどんどんと溢れて出てくるようで、それをぐっと飲み込む。
「俺も誰か呼び出してくんねえかなあ!?代わりに俺が行ってやろうか!!」
「お前…ついに男にまで許容範囲を広げたか」
「え…友達やめようかな」
話が脱線しようが、俺の憂鬱な思いは出て行ってくれない。
ぼんやりとももを見つめてみても、ただ胸を苦しい思いが締め付けるだけ。
ももを好きにさえならなければ、こんな思いしなかったのに。
龍雅や宗太みたいに、こんな風に接する事ができたはずなのに。
どうしようもない俺の思いを置き去りに、虚しいくらいに時間はすぐに過ぎて行く。
こんな思いを、これから幾度と無く感じるのかと思うと、何ともいえない喪失感が俺を包み込む。
そんな事を考えるくらいなら、気持ちをももに伝えて玉砕した方が随分気分はマシに違いない。
でも、それさえも躊躇してしまう程、俺の中にある問題はでかすぎた。
何やってんだ…俺。
午前中の授業なんて、全く頭に入ってこなかった。
答えのない難題を、永遠と解いているような気分で真っ白なルーズリーフを睨んでいた。