**confection**



まあ実際、大阪人なんてテレビでしか見た事ないに等しいけど。


てゆーか、東京人も大阪人も名古屋人も???全てが俺からしたら同じ都会人で括られている。



去ってゆく大阪人を見送りながら、パッと開かれた目の前に視線を移した。


ザワザワと声が聞こえるので、すんなり入っていけそうだ。



……席どこだ。



入ってからウロウロすんのも何か嫌だ。


少し覗き込むように黒板に目をやると、席順らしい紙が貼り付けてあるのが目に入る。



んな真ん中に貼ってんなよ〜…。



そう思いながら溜め息をつくと、気を引き締めてから足を教室内へと踏み入れた。




ザワザワとしていた教室内は、段々と声が小さくなり、何故かヒソヒソと話し声が聞こえてくる。


不思議に思いながらも、黒板のど真ん中にいったん止まり、再び自分の名前を探した。



あ〜…おしい!!あと一列で窓側だったのかよぉ〜……。



そう思いながらも、隣を見ると“唯ノ瀬もも”とあった。



……ワタナベさんがいねぇ。………あ、いた。目でもわりぃのか。だから一番前なのね〜。



そんな事を考えながらも、軽いショックを受けながら肩に提げている鞄を持ち直し、他の場所より高く作られた段差のある教卓と黒板の間から降りた。



やっぱりたくさんの視線を向けられているようだったが、もう慣れて気にならなかった。



机と机の間を歩き、窓側から2列目の一番後ろの席に向かう。


まあ…一番後ろだし良しとしよう。



そんな事を考えながら、到着した自分の席に鞄を無造作に投げ出した。



………もう疲れた。


人混みなんか大ッ嫌いだ。



ドッカリと椅子に座り、両手を組んで頭上に向けて伸びをした。


あー…ねみぃ…………あ、そう言えば。



パッと隣に顔を向け、ボーッと頭を見つめた。


机に肘をついて外を眺めている人物は、とても小さかった。


差し込む陽射しによって、元から色素の薄そうな、長いふんわりと柔らかそうな髪が、明るく透ける様子がとても綺麗だった。
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