**confection**
頭には天使の輪っかなんかあって、思わず触れてみたいなんて衝動に駆られる。
にしても…ちっちぇ〜頭だなあ…。
そう思いながらも、頭だけではなくて全体的に小さいんだ。と改めて思う。
間違いなくでかくねぇ。
てゆーか、むしろソイツよりもちっちぇー。
同じように、机に肘を付いて観察するように彼女を見た。
窓からは、彼女に向かって降り注ぐようにして陽射しが差し込んでいる。
こっち見ねぇかな〜。そんなに外に面白いモンでもあんのか?
窓の外を向いたまま動かない彼女に声を掛けたくなってくる。
別に…これからクラスメートとしてやっていくんだから、声くらい掛けても全く問題ないだろうし。
それにしても、全く身動きすら取らない彼女が、少し不思議に思えてくる。
………田舎仲間か?
………人見知りか?
……………寝てんのか?
入学早々度胸あんなあ。
そんな事を考えている内に、彼女が髪をかきあげた。
……何だ。起きてんじゃん。
ふわりと指を通した髪から、甘い香りが漂ってきそうだ。
うん。白いラインはやっぱねぇよなあ。
まだ制服は長袖で、うちの学校はブレザーだ。
少し大きそうな制服に、彼女の手は隠れてしまいそうだった。
「…もも?ももって言うの?」
「…は?はぁ」
ピクッと反応した彼女は、ぎこちなく振り返った。
気付いたら、口から勝手に言葉が出ていた。