【長編】私の道
『愛、ごめんな。お前より先に死んじまって。約束...忘れてると思うけどさ。お前の気持ちが変わってなければ....俺が病気じゃなければ....絶対叶えたかった。俺にとっての女は愛だけだから。裏切るように、女つくって、ごめんな。未來を利用してお前を忘れたかった。そして、愛に最低な男だって思われたかった。本当にお前が....愛が好きで...さ。お前のすべてを愛してる。愛、幸せになれよ。それが俺にとっての望みなんだ。じゃあな。』
彰くんの録音された声。
三枝さんは、泣いていた。
彰くんは、手紙とかじゃなくて声で伝えたかったんだ。
自分で考えて、紡ぎ出した言葉を。
三枝さんに伝えたい想いを。
良かった。
三枝さんは、これで前に進める。
私の役割は、終わった。
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