キミと、世界の果てまで。



バタン、という音と共に、おじさんは地面に倒れていく。


おじさんからの圧迫から開放された寛司は、腹部を押さえながら咳き込んでいる。


レンは、真剣な表情を崩さないまま、鞘にソードを収めていく。



そしてあたしは、レンの行動に衝撃を受け、一気に全身の力が抜けて、地面に座り込んでしまった。



―――ソードを振り上げたレンは、てっきりおじさんに刃を向けて、突き刺すのだとばかり思っていた。


だけどレンは、振り上げた衝撃を利用して、ソードの柄の部分をおじさんの頭に当て、気絶させただけだった。



呆然とするあたしの前に、レンのごつごつした手が差し伸べられる。


そして―――言い放った。




「ミライ、お前は言ったよな?大切な人を護るって」



「………」



「確かに相手が寛司のおじさんだったから、手を出しにくい気持ちも分かる。…だけど、顔見知りだからって躊躇していたら、傷付けられた寛司は一体どうなるんだ?」



「レン…」



「大丈夫だ。傷付ける為に、クロスやソードを使うんじゃない。…助ける為に、護る為に使うんだ」




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