キミと、世界の果てまで。



助ける為、護る為。

あたしがクロスを使う、理由。



あたしはそっとレンの手のひらに、自分の手を乗せる。


グイッと引っ張られて、あたしは自分の足でその場に立ち上がる事が出来た。


あれだけ止まらなかった震えが、今では嘘のように感じてくる。




「ごめんねレン。最後のチャームまで迷惑掛けて」



「いや、いいけどさ」



「あたし自分の事ばかり考えてたよね。前に進むしかないって、そうレンに教えて貰ったばかりだったのに」




あたしは首に掛けてあるクロスのペンダントを、ゆっくりと外す。


もう、これでクロスを使うのは最後なんだな、と思うと、自然と目頭が熱くなる。


だけど…




「Crossing and movement!」




まだまだ弱い、立ち止まってしまう事も多い、そしてとてつもなく臆病、そんな人間があたし。



それでも、護りたいという気持ちに嘘は無いから。


あたしはクロスを、振りかざす決意をした。




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