ヤンデレ彼氏に監禁されて
糸が切れた人形のように、彼の顔が落ちる


絶望という色に染まる表情


もう、私を見ることはなくなったその人


「クルキさん……」


呼ぶも応答はない


死体に見紛えるその姿


手を伸ばしそうになるも、私にその権利はないと拳を握った


涙が彼の顔にかかった


彼は泣きはしない
壊れた人形に、感情はないのだから



――でも、



「愛していた、だけだった……」



無機質な声は、彼が私に宛てた最後の言葉だった



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