彼と彼女の方程式
…なんか…ムカつくんですけど…。



―ドンッ…。


「い"っ…!!」


少し揺れる湊の背中に頭突きをした。


「おいっ、いきなり何すんだよ!!?」



『…別に……。』



ただ、余裕そうな…慣れてそうな湊にムカついた。




他の女の子ともこうしていたんだろうなと思ったら凄く嫌だったから。



「別に、って…。
まぁ、いいけどさ。…ちゃんと掴まっとけよ。」



『…うん。』




今まで湊に対してこんな事思った事ないのに…。



なんて言っていいかわからない感情に振り回されないように首を振った。



そうよ、きっとこんな風に帰るのとか、二人乗りとか始めてだから考えなくていい事まで考えちゃうんだ!!


そうだ、そうだ!!



うん、うん、と自分を納得させるかのように頷いて、ドキドキする胸や湊に回す手が熱いのを無視した。








あたしはまだ知らない。




この感情の答えを。


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