彼と彼女の方程式
曖昧なあたしの返事に更に気を悪くしたのか、次の瞬間…。
『…っ!!』
膝に刺すような痛みが走った。
慌てて湊の消毒から逃げようと膝を動かそうとしたがしっかりと掴まれていて逃げれない。
『ちょっと!!湊!!』
「どうした?
しっかり消毒しないと…ね?」
『なっ!!』
さっきとは打って変わってニコッと微笑む湊。
だけど、足を抑える力は変わらない。
ちょっ、ちょっと、怖いですから〜!!
『みな…「あ〜ゆの。」
『…ん?』
湊の言い掛けた言葉に首を傾げた。
「…いきなり手、離すとかやめろよな、焦るから。」
あたしの膝を手当てしながら言った湊の顔は俯いていてわからなかった。
けど、その後【ごめんなさい】と湊のつむじに素直に謝った。