感方恋薬-かんぽうこいやく-
「え?なんでだよ」


「いいから!絶対、絶対話すんだよ!」


「あ、う、うん、分かった」


あたしは、部屋の外から人の気配が消えた事で、今度こそ、ほっと胸を撫で下ろした。


兎に角、薬が効かなかったんじゃ無いんだ。


そう自分に言い聞かせて、あたしは制服から私服に着替えると、リビングに向って階段を降りて行った。


そこでは弟がソファーで「水戸〇門」の再放送をを見ながら、うるうる瞳を潤ませている姿が有った。


弟よ、君が優しい奴なのは良く分かるが、姉として本気で思う…大丈夫か、将来?
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