感方恋薬-かんぽうこいやく-
あたしは、苦虫を噛み潰した様な表情で、さて、どう返答したもんかと思案を巡らす。


「な…なんで知ってる?」


とりあえずあたしは幸に聞き返してみた。


「則子さんが、さかんに言い触らしてますけど、貴子さんが作った薬のお陰で、彼に告白出来たって…」


あんの、お喋り!こういう事は密を良しとするんじゃ無いのか?しかも、事も有ろうに、このマッドサイエンティスト予備軍に話すなんて。


走ってる馬の鼻面に人参ぶら下げてやる様なものじゃぁないか。


「ん…え、ま、まぁ、それと似た様な物は私たかも知れないね…」
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