感方恋薬-かんぽうこいやく-

第7節

「だから、出てくる前に一言、言えってんだろが!」


あたしは爺に向って叫んだ。しかし、爺は全く気にして居ない様子だった。


「安心せい、わしの姿は貴子にしか見えておらん。それより、薬の作り方の事じゃ!」


「それがどうしたのよ、別に大した問題じゃ無いじゃ無い」


「大した問題じゃ!呪術を知らん者に薬の作り方を教えて効きませんでしたで誰に教わったんじゃという事に成って貴子、お前さんの名前が上ったら、どうするつもりじゃ!」
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