感方恋薬-かんぽうこいやく-
あたしは、うっと言う感じで後ずさった。


確かに、もしそうなったら、確かにあたしの信用はがた落ちかもしれない、が、話したのは幸だ。


あの実直な性格からして、失敗しても、それを他人のせいにして、べらべらとふれ回るとは思えない。


そう思った時に爺が、あたしの耳元で囁いた。


「昔から、名の有る武将は側近に倒される事が多いんじゃがのぉ」


う…確かに身内に殺された武将は多い様な気がする。


確かに言われて見れば幸のにこにこ笑いだって、相手を油断させる手段と言われて見ればそう取れなくも無い。


でも…幸だしなぁ。


「相手は一つ間違えればマッドサイエンティストじゃぞ」
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