感方恋薬-かんぽうこいやく-
爺が耳元で更に呟く。


そうだ、相手は、科学室を吹き飛ばしても怪我も無くぴんぴんしている輩だ。


そう思えば思えなくも無い。


「よいか、貴子」


「う、うん」


「はっきり言って、今迄言った事は全くの嘘じゃ」


あたしは思いっきりコケそうに成った。


「じゃがこれだけは充分注意するのじゃ。よいか、呪術とは、もろ刃の刃じゃ。人を楽にする事も苦しめる事も出来る。おまえさん、自分の友達が苦しむのを見たいと思うか?」
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