感方恋薬－かんぽうこいやく－

「気を付けろって、爺、ひょっとしてこの事？」


「うむ、どうやら、その様じゃな」


うぇ～あぶね～あぶね～。


あたしは、幸に無理やり恋をさせられる処だった。


もし、そんな事になったら、ややこしい事、極まりない状態になってしまう。


幸の事を好きなのは紀美代だ。


それを差し置いて、あたしが幸に恋をしてしまったら横恋慕になってしまう。


そんなややこしい人間関係を形成するのは嫌だし、紀美代にも合わせる顔が無い。